密県漢墓

概況：
打虎亭漢墓（密県漢墓）は、中国河南省鄭州市新密市牛店鎮打虎亭村に位置する、東漢時代（紀元2世紀後半から3世紀初頭）に築かれた大規模な墓葬遺跡です。西側の1号墓（画像石墓）と東側の2号墓（壁画墓）の二つの墓室が東西に並んで構成されており、総面積は33,000平方メートルに及びます。1960年から1961年にかけて河南省文化局文物工作队によって正式に発掘され、その規模と建築の精巧さから「中華東漢第一墓」と称されています。両墓はかつて盗掘を受けましたが、墓室内の画像石と壁画は良好な状態で保存され、東漢時代の貴族の生活様式や芸術水準を現代に伝える貴重な文化財として、1988年に全国重点文物保護単位に指定されました。

見所：
1号墓の画像石：南耳室の「収租図」、東耳室の「庖厨図」（豆腐製作の過程を描いた最古の絵とされる）や「醸酒図」、北耳室の「宴飲図」など、当時の生活や生産活動を詳細に刻んだ石刻画像が見られます。
2号墓の壁画：中室の「迎賓図」や「宴楽百戲図」（相撲や舞踊などの芸能シーンを含む）など、色彩豊かな壁画が往時の社交や娯楽の様子を生き生きと伝えています。
壮大な墓室構造：両墓とも、墓道、前室、中室、後室、複数の耳室からなる大規模な磚石混合構造で、1号墓の全長は約26.5メートル、最高部の高さは6.32メートルに達します。
精巧な石門彫刻：1号墓の第一道石門には、青龍、白虎、朱雀、玄武の四神や雲気紋、神獣などが精緻に刻まれており、古代の信仰や世界観を窺うことができます。

入場料：10元密县汉墓(及打虎亭汉墓)(mì xiàn hàn mù jí dǎ hǔ tíng hàn mù)ハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:00～17:30
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:00～17:00
※ 年間を通じて8:00に開園します。住所：
河南省鄭州市新密市牛店鎮打虎亭村
公共交通機関：
鄭州市内から新密市行きの長距離バスを利用し、「打虎亭村」方面で下車後、現地のタクシーや三輪車を利用します。墓室内は薄暗く、石段や段差があります。歩きやすい運動靴を履いていくことをお勧めします。
貴重な文化財を保護するため、壁画や画像石には触れない、フラッシュを使用して写真を撮影しないなど、マナーを守ってご観覧ください。
墓室内の湿度が高く、夏季と冬季で温度差が大きい場合があります。
季節に応じた服装の調整をお勧めします。
美しい遺跡を守るため、ゴミは指定された場所に捨て、落書き等は絶対に行わないでください。
混雑時には入場に時間がかかることがありますので、時間に余裕を持ってお越しください。